onbmotorsのメモ

onbmotorsのメモ

電子工作とかマイクロマウス関連のメモ書き。

個人的はんだ付けノウハウ

個人的はんだ付けノウハウ

プリント基板に表面実装部品をはんだ付けするときに苦戦したところをまとめておきます。

あくまで素人レベルの人間がとりあえず動けばいいやでやった方法ですので信頼性などは全くありません。

QFPパッケージ

まずは0.5mmピッチで64本の足が出ているqfp64パッケージについてです。

ネットで参考動画を探すと、「流し半田」という方法ではんだ付けしている動画がたくさんあります。この方法は簡単そうに見えたのですがやってみると意外と難しく半田がブリッジしてしまいました。この小ささのパッケージだと半田ブリッジを取り除くのも苦労しますし、強度もあまりないためピンが曲がってしまうこともあります。

何かいいやり方がないかと探していると、とある動画のコメントがよさそうだったので真似してみることにしてみました。

そのやり方というのは、パターン側に予備半田を載せてからQFPを付ける様にする方法です。

 

利点としては、

・予備半田としてパターン側に半田を盛っておけば適切な半田量の調整が可能になる

(流し半田では半田の微妙な供給量の調整が難しい)

・パターン上の半田を直接見れるため半田の過供給や欠供給が一目瞭然ですので、修正も簡単

ということです。

 

具体的な手順としては、

・フラックスをランドに塗る

・ランドに予備半田をのせる

・ ICを上から少し押さえ付け気味に置いてランドを1本づつ温める

・ICのピンは半田付けするIC側のピンの根本をピンセットか何かで押しながら、そのピンの基板パターンランド側を温めます。

やってみると、半田付けされる瞬間にピンがスッとランドに降りていくのが見えます。

 

参考に一列だけ予備半田したものを乗せておきます。

f:id:nantakosu5656:20201016205703p:plain

半田の供給量が多くランド間でブリッジした場合は吸い取り線で吸い取ってください。

 

注意点としては、半田の量が少なすぎるとICの足とランドがくっつきにくいです。

そういうときは少し強めに押し付けてこて先をあてるか、半田を足すといいかと思います。ただし、はんだを足しすぎるとやはりブリッジします。

テスターやピンセットの先端を足に押し当てて足が動かなければとりあえずは大丈夫だと思います。(耐久性に関しては微妙かもしれませんが。。)

 

実際にやってみると下図のような感じになりました。(左下にはんだブリッジがありますが、使わないピンなので放置しました。)

画像

これでもマイコンへの書き込みはできたので軽く動かす程度であれば問題ないと思います。

 

補足として、成功率を上げるには道具が大事だと思います。

細めの小手先と細めの半田を使いましょう。

参考です

はんだごて(白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600)

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B006MQD7M4/ref=ppx_yo_dt_b_asin_image_o03_s02?ie=UTF8&psc=1

小手先(白光 こて先 1C型 T18-C1)

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B004ORB87Y/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o08_s00?ie=UTF8&psc=1

φ0.3mmくらいの半田(goot(グット) 無洗浄はんだ Φ0.3㎜ スズ60%/鉛40% 100gリール巻き ヤニ入りSE-06003RMA)

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B005EJ7KI2/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o05_s00?ie=UTF8&psc=1

qfnパッケージ

足が出ていないタイプのパッケージです。

ICM-20602というジャイロセンサです。(これもややブリッジしていますが、使わないピンなのでとりあえず放置しています。。)

f:id:nantakosu5656:20201016211847p:plain

手半田は難しいかと思い、ホットプレートを使ったリフローをおこないました。

ホットプレートリフローについてはネットを探すと色々出てくるので詳細は割愛します。

今回は山善のホットプレートを使いました。

Amazon | [山善] グリル鍋 1200W 容量2L(直径23 深さ5cm) ブラウン GN-1200(T) [メーカー保証1年] | 山善(YAMAZEN) | ホーム&キッチン 通販

また、LDM-81Dという温度も計測できるテスターも使いました。

https://www.marutsu.co.jp/pc/i/59232/

半田ペーストは以下のものを使いました

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00MILNHYA/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o01_s00?ie=UTF8&psc=1

 

下図のように、基板の適当なところに熱電対(テスターに付属)をポリイミドテープで張り付けて温度を計測します。

画像

 

実際にリフローするときは基板を2枚並べてやりました。

片方は温度計測用の基板でもう片方がはんだ付けする基板です。

(焦ってたので写真はとれてません)

 

半田ペーストを塗布して部品を配置後に基板をホットプレートに並べます。

クリームはんだは思ったより固まりにくいので落ち着いて作業すればいいと勝手に思ってます。

準備ができたらホットプレートを160℃に設定して2分半から3分プレヒートし、200~210℃に設定して30秒程度経過後、ホットプレートをoffにして冷めるのを待ちます。

リフローの温度プロファイルに関しては諸説ありますが、基板の厚みや大きさ、半田の種類次第かと思います。(今回は基板1mm、大きさは約80mm * 100mmでした)

鉛が入っている半田より鉛がない半田の方が温度上げた方がいいとかなんとか。。

なお、テスターで計測した温度はホットプレートで160℃セット時で180℃程度、200℃セット時で230~240℃程度になっていました。

 

出来上がりに関しては最初の図の通りです。使うピンもブリッジしているところはありましたが、半田吸い取り線をつかうとなんかなります。

 

ちなみにやりすぎると下図のように基板がよれよれになります。(ホットプレートで210か220℃くらいに設定したときです)

この基板はさすがに使えません。パターンもはがれてしまいました。

f:id:nantakosu5656:20201016213950p:plain

 

ともかくやってみることが大事だと思います。私は5枚くらいダメにしましたが、いろいろと工夫していくと自分なりのやりかたがわかってくると思います。

 

やり切れていないところ

qfp64パッケージのマイコンも併せてホットプレートでリフローしようとしたのですが、位置合わせが難しく3.3V系とGNDがショートしてしまいました。うまくできる方法を探したいのですが、部品費も高いのでこれからも手半田することになると思います。

 

そのほか

ちゃちくてもいいので、顕微鏡があると多少はんだ付けしやすいと思います。

私はアマゾンで適当にUSB接続顕微鏡を買いました。PCのモニタなどに映して見ることできるタイプです。下のURLのものはwin10のカメラアプリで動き、写真やビデオが撮影できます。6000円くらいです。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01NBMKAIO/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o05_s00?ie=UTF8&psc=1